キタスナヤツメ変態する
- 展示室 生き物
- 13 時間前
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めだかルームの渓流水槽では、キタスナヤツメという魚を飼育しています。ヤツメウナギという魚の仲間ですが、ウナギとは全く違う種類です。

5月から展示していますが、これまでほとんど砂の中に潜っていて、あまり姿を見ることができませんでした。それが10月になって、砂の外に出てくるようになったのです!
変化はそれだけではありません。下の写真は、5月と10月の顔の写真です。
何かが変わったのが分かりますか??

答えは、目ができたことです!
5月の写真ではどこが目か分かりませんが、10月の写真ではくりくりした目があるのが分かりますでしょうか。
実はスナヤツメの仲間は、子供(アンモシーテス幼生)のころには目が無いのです。
子供の間は、まるでミミズのように水底の砂の中に潜り、細かい有機物を食べながら3年かけて成長します。そして、大人になると変態(姿形を変えること)して、目ができてヒレも発達。ついに水の中を自由に泳げるようになるのです!しかしその代わりに、消化管が退化して食べ物は食べられなくなってしまいます・・・。
ではせっかく目ができて水の中を泳げるようになったのに、なぜ食べ物が食べられなくなってしまうのでしょうか?
それは繁殖のためです。
秋に変態したスナヤツメは、その翌年の春に繁殖をしたら死んでしまいます。
つまりスナヤツメは、子供の時は砂の中に潜っているため目が必要なく、大人になると繁殖場所への移動や天敵から逃れるために目が必要になります。一方、大人になれば後は繁殖するだけなので、食べ物を食べる必要はなくなってしまうのです。
こんな変わった生き方をするスナヤツメの仲間ですが、きれいな水や幼生が暮らす砂底の環境が開発によって失われ、八王子市内でも一部の河川にしか生息していません。彼らが暮らせる豊かな河川環境を、未来に残していきたいですね。










